CASE11 東京都/調布市(簡易版)
独自の在宅医紹介システムを構築
市民も巻き込み連携事業を精力的に推進
調布市のここがすごい!
○専門職や患者家族などに在宅医を紹介する独自の仕組みがある
調布市医師会内に在宅医療相談室を設置し、在宅医を必要とする人に、登録医の手挙げ制で在宅医を紹介する仕組みを構築
○ 医師と歯科医師がペアで摂食・嚥下機能支援
在宅医療相談室の情報をもとに、在宅で摂食・嚥下機能検査を実施。都の「摂食・嚥下機能支援推進事業における評価医養成研修」を修了した医師、歯科医師がペアで担当
◯医師会の実績をベースに在宅医療・介護連携事業を推進
調布市在宅療養推進会議は、市民も含む在宅医療相談室の運営協議会が母体。その実績と信頼関係をベースに取り組みを推進
図1◆訪問診療医紹介システムのイメージ
図2◆「ちょうふ在宅医療相談室」の役割と関係職種との連携。現在は月〜金曜、9:00〜17:00のフル稼働。相談員は3名のシフト制で運営しており、紹介実績は年30件前後、年間相談件数は述べ200件前後で推移している
POINT!在宅医療担当理事が不安の声に丁寧に応える
「ちょうふ在宅医療相談室」を創設するにあたり関係者からは、「本当に市民の利益につながるのか」「地域包括支援センターとどこが違うのか」「モデル事業終了後、赤字事業として医師会に残るのでは」「依頼が多かった場合に対応できるのか」といった不安の声が寄せられましたが、在宅医療担当理事はこれらに根気よく応えました。調整機構の要不要に対する意識調査や、在宅医療のニーズを把握するための調査、全医師会員の在宅医療機能調査なども実施。最終的には、「実績を上げれば予算はついてくる」「何かあれば自分が責任を持つ」などと仲間を説得し、なんとか同意を得て事業を前に進めました。立ち上げからしばらくは、スタッフは非常勤のみにするなどしてリスクを軽減。「在宅医療勉強会」で診療所機能の底上げも図りました。
図3◆在宅医の紹介を求める患者について記載する「在宅医療担当医紹介依頼シート」
図4◆より簡易な「在宅医療担当医紹介依頼シート」(ご家族用)
図5◆「在宅医療担当医紹介依頼シート」の中には「お口の診察」「お口の状態」の項目があり、介入のニーズを把握できる(図4の下部アップです)
写真1◆2018年3月に発行された『ちょうふ在宅医療ガイドブック』。好評につき、すぐに第2版がつくられ配布された
写真2◆2018年4月に調布市在宅療養推進会議のもとに発足した「市民啓発部会」の様子
写真3◆同じく「多職種連携部会」の様子。第1回は病院との連携における課題などを話し合った
写真4◆調布市役所は京王線調布駅から徒歩5分ほどの便利な場所にある
写真5◆調布市医師会館は調布市役所と同じ道沿いにあり行き来しやすい
写真6◆市と医師会は常に課題を共有し連携している。左から調布市高齢者支援室職員、ちょうふ在宅医療相談室相談員、調布市医師会副会長、同在宅医療担当理事、調布市高齢者支援室長、調布市医師会事務局事務長
地域DATA(調布市)
面積:21.58k㎡人口(2015年国勢調査):229,061人
高齢化率(2015年、65歳以上):21.30%
一般診療所数(2017年10月現在):172
病院数(2017年10月現在):8