CASE1 鹿児島県/奄美市・大島郡(簡易版)
市町村・医師会・保健所が協働
“三位一体”で進める広域連携
奄美市・大島郡のここがすごい!
○地域ビジョン「Ageing in Place」の共有
活動を始める前から市町村、医師会、保健所が「Ageing in Place:ここで暮らし続けたい」という想いを共有
○6市町村、郡医師会、保健所がつながっている
複数の自治体を保健所がまとめ、後方支援。皆で話し合いながら地域づくりに取り組む
図1◆奄美群島の概要
図1 公益社団法人大島郡医師会(2016).在宅医療推進地域支援事業成果報告資料,P2 より引用
写真2 地域医療の一翼を担う大島郡医師会病院。介護老人保健施設「虹の丘」も併設されている
POINT!連携のベースとなった共通の考え方
地理的にも、文化的にも、組織的にも異なる6自治体が共同で、1つの医師会と契約締結することはとても大変なことですが、ビジョンの共有と話し合いによる歩み寄りが、さまざまなハードルを超える力になりました。そのベースには、大島郡医師会が提唱する関係者との連携のための心得「ABCDサイクル+E」(図2)があります。また、鹿児島県の積極的な姿勢もあって、保健所が国の推奨する役割を忠実に果たしていることも推進力になっています。
図2◆大島郡医師会が提唱する連携のための心得「ABCDサイクル+E」
図3◆在宅医療・介護連携(広域分)組織図
写真2 隔月で開催されている「事業運営委員会」の様子。基本的に6つの包括、医師会、保健所から2、3名ずつ出席し、議題に沿って3時間話し合う
POINT!コーディネーターの働き変遷
・2013年10月
3名のコーディネーター(社会福祉士(常勤)、ケアマネジャーの資格を持つ看護師(非常勤)、病院医事課職員(常勤))を配置して、行政(市町村・県)や各職能団体等の関係者とあらゆる機会をとらえてコミュニケーションを図るよう努める。
・2014年6月
病院医事課職員の代わりとして、情報・通信系の会社からSE(システムエンジニア)をコーディネーター(出向社員)として受け入れ、ICTを活用した情報共有の仕組み作りに取り組む。
・2016年4月
在宅医療推進地域支援事業の終了とともに、コーディネーターは常勤の社会福祉士1名体制となり、行政(市町村・県)等との新たな関係構築の方法を模索。
・2017年4月
在宅医療連携支援センターに2名の歯科衛生士(非常勤)をコーディネーターとして配置し、在宅医療・介護連携に関する相談支援体制の強化を図る。
地域DATA(奄美保健医療圏北部の6市町村)
高齢化率(同上、65歳以上):32.7%
一般診療所数(2017年10月現在):70
病院数(2017年10月現在):10