CASE9 大分県/大分市(簡易版)
現場の活動を地道に積み上げ
「大分市全体をホスピスに」の目標実現へ
大分市のここがすごい!
○退院を望む人がその日に家に帰れる仕組みがほぼできている
在宅緩和ケア専門クリニックを中心に、市内全域をカバーする在宅緩和ケアの多職種ネットワークが構築されている
○ 在宅緩和ケアを牽引する先進的な事業所が複数存在
看護師ケアマネ中心の居宅介護支援事業所、在宅専従薬剤師を4名配置した薬局など特徴的な事業所が在宅緩和ケアを現場で推進
○市と医師会の連携が進んでいる
大分市と大分市連合医師会は2013年から連携関係を継続している
写真1◆大分市内で在宅緩和ケアに取り組むクリニック
写真2◆在宅緩和ケア専門クリニックに集まった大分市職員、大分市連合医師会事務局職員、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャーなど関係者の皆さん
POINT!いつでも入院できる環境がある
この在宅緩和ケア専門クリニックの院長はもともと外科医で、大分県立病院では約10年間、外科部長を務めていました。その後、緩和ケア医に転身し、緩和ケア専門病院院長を経て開業しました。勤務医時代の2000年から地域の医師や多職種とともに年2回、「大分県緩和ケア研究会」を続けており、多くの病院の勤務医とも顔の見える関係を築いています。こうした信頼関係のもとで、いつでも病院の協力が得られる環境にあることが患者本人や家族、関係者の安心感につながっています。
POINT!実践を通して医療職・介護職を育てる
大分市内には薬局が約200あり、うち半数に在宅医療の実績がありますが、医療用麻薬を常備しているのは約10店舗、末期がん患者宅への訪問を行っているのは4店舗程度です。訪問看護ステーションについては、2016年までの8年間で看取り数10名以上の事業所が15カ所、50名以上に絞ると5カ所、さらに100名以上に絞っても2カ所あります。これらのほとんどは在宅緩和ケア専門クリニックでの研修、訪問同行などにより力をつけてきました。同クリニックではいまでも、立場や職種を問わず研修生を受け入れて育てています。
写真3◆「大分県在宅医療推進フォーラム」の冊子(2017年度版)
地域DATA(大分市)
面積:502.39k㎡人口(2015年国勢調査):478,146人
高齢化率(2015年、65歳以上):24.70%
一般診療所数(2017年10月現在):347
病院数(2017年10月現在):53